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第12回アジア政治論質問・回答

2012-05-23 作者:川島真
中国では、法輪功のことを宗教上「邪教」と位置付けています。「正邪」というのは、当然政府?体制側が決めた発想です。次ぎに、政治的、社会的には、反体制?反革命的という位置付けが与えられます(反革命=革命政権である現政権に反するもの)。御存知のように、憲法第36条で信教の自由は認められています。しかし、マルクス主義は無神論が前提。最終的には宗教は消滅するという論理にたっています。また、チベット問題や新疆のムスリムの民族運動などから、宗教は敏感なものという認識があります。ただ、仏教協会などをはじめ、多くの宗教団体は政府の公認を受け、国家の管理の下で活動をしています。特に南方では、経済活動の活発化に伴い、民間信仰が再び活気を取り戻していますし、都市化に伴う当然の社会現象としてカルト的な宗教、新興宗教が生じる可能性に満ちています。法輪功が「邪教」とされたのは、宗教団体として「公認」されなかったことを不服として、99年に北京の中南海を取り囲んだため、中国政府は直ちに邪教取締りの規定をつくって、それを法輪功に適用、撲滅運動を開始しました。その後も中国では徹底的な法輪功批判が展開され、約5万人が摘発されるとともに、裁判で「思想改造が必要」とされると、遼寧省などに置かれた思想改造基地において「思想改造」が施され、それでも「改造」されない者は精神病院に入れられています(中国政府は95%以上を撲滅したと公表)。しかし、海外では各地で法輪功の活動は依然として続けられ、国際社会の一部からは中国の法輪功への厳格な取締りは人権侵害ではないかと言われることがあります。しかし、2002年4月、国連人権委員会で、中国政府代表団の王暁翔特別顧問が「法輪功のマインドコントロールにより修練者やその家族の基本的人権が侵害されている」とし、中国政府による邪教組織「法輪功」の取り締まりは「人権保護の必然」との立場を強調しています。…因みに義和団事件100周年にあたる2000年から2001年には、義和団の記憶と法輪功が交錯して、シンポジウムなどが全国レベルでは開かれませんでした。天安門事件の後、五四運動の扱いが難しくなったのと同じですね。

http://www.kawashimashin.com/04/asisei2003/03asisei-ques12.html
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