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【新華社上海12月17日】語言文字誌『咬文嚼字』はこのほど、2014年10大流行語に、「打虎拍蝿」(トラもハエも同時にたたく)、「トップダウン設計」、「新常態」(ニューノーマル)などの現代の中国の政治と経済動向の反映した流行語を選んだ。また、「萌萌嗒」、「高大上」、「神器」などのインターネットで流行した日常生活用語も入選した。
説明によると、全国の言語専門家が推奨し、評議を重ねて選出する年度10大流行語は、「時代価値、社会価値、言語価値」を基準に選ばれる。最終的に選出された10の流行語は「トップダウン設計」、「新常態」、「打虎拍蝿」、「断崖式」(株大暴落などに用いる形容詞)、「你懂的」(英語の「you know」に由来する)、「断捨離」(山下英子氏の同名著書で話題になる)、「失聯」(失跡)、「神器」、「高大上」(豪華で気品と高級感があることの例え)、「萌萌嗒」(自分自身に強い愛着を持ち、陶酔する)となった。
いわゆる「 トップダウン設計」は、本来はシステムエンジニアリング学の概念で、上層から順序に沿ってエンジニアリングプロジェクトの全体計画を行うことを表すが、現在は主に政府の「戦略的管理」を指す用語だ。
「新常態」という表現は、2008年の世界金融危機以降に西側の経済復興における緩慢で息苦しい過程に由来する。「新常態」は現在、中国で頻繁に使用されるようになり、経済分野に限らず、各業界と各業種で広く使用されている。
2014年、中国の反腐敗プロジェクトの高まりが次から次へと起こり、「トラもハエも同時にたたく」はネットユーザーの絶賛するホットワードとなった。「トラ」はトップにいる腐敗役人を比喩し、「ハエ」は基層に身を置く腐敗役人を比喩しており、そのイメージは生き生きとしている。
「断崖式」は幅が広くて、勢いの激しい下り坂へ向かう状態を形容している。2014年、腐敗の分野では「断崖式格下げ」、不動産市場では「断崖式値下げ」があった。
「断捨離(だんしゃり)」という言葉の流行について、それが反映するのは一種の新しいライフスタイルの出現だ。この語源は日本の家政カウンセラー、山下英子著作の『断捨離』という本で、山下氏は「引き算する」のを通して、自分が住んでいる部屋をきれいに片付け、自分にゆったりして心地よく自由な空間で生活を送らせ、それによってストレスの緩和や心の解放を探し求めることを提唱している。
インターネットはいつも流行語を生み出す「温床」だといえる。ハイテク製品や目新しい事物が選び出されている現在、ネットユーザーたちは思いがけなくて、効能の強力な事物に対し「神器」の称号をつけている。著名な言語学者、郝銘鑒氏は次のように指摘する。当面さまざまな流行語が後を絶たない。懸念されるのは、一方ではインターネットによる中国語の造語機能がますます発達しているが、もう一方は社会にいる中国語の言語と文字の「護衛者」がますます力が及ばず、流行語が元々厳格であるべきな各種言語の使用環境の中に「侵入」していることだ。中国語がネット流行語の喜び、怒り、笑い、罵りの中で「本来の持ち前」をいかに保つかは、一つの注目に値するテーマだろう。
(新華網日本語)