2008年12月から韓国法務省、労働省、中小企業庁等の部門が共同で韓国に違法滞在した外国人への調査活動を行った。この活動で発見された韓国に違法滞在した者が相次いで送還され、そのうち数名の中国国籍の法輪功学習者がいた。一部のマスメディアやNGO組織のメンバーをはじめとする宗教人士が国際人権公約に違反し、法輪功学習者でさえ中国に送還したと非難し、これによってこれらの人が中国政府の残酷な迫害を受けることになると見ている。
いったい事実はどうなったのだろうか。これに疑問を抱き、関心を寄せて、記者は数日前に中国で強制送還された中国国籍の法輪功学習者である呉さん(漢族、男性、45歳)にインタビューした。
2009年10月13日に記者は中国山東省青島市城陽区で呉さんと会った。インタビューを受けた呉さんは「私が違法滞在のため中国に送還され、法輪功を学習したためではない」と明確に語った。
呉さんは最初に青島市のある韓国系服装企業で働いたが、2002年5月に、産業研修生の名義で、韓国の企業に研修をした。2003年1月に、呉さんは黙って研修企業を離れ、相次いで近畿道安山市、華城市辺りの建築現場で働いたりした。2004年8月から呉さんは体が不具合のため、法輪功を学習し始めた。2007年3月に韓国法務部に捕まえ、一時に華城市外国人保護所に拘禁された後、中国に送還された。
この間、呉さんがかつて法輪功学習を理由に韓国政府に政治的亡命を申し入れたが、韓国の関係部門は呉さんが難民申請条件に適わないとして、送還することにした。呉さんがこの審査結果に不服で、韓国の裁判所に上訴したが、裁判所も同じく「中国に帰国後、迫害されることを証明する充分な証拠が見当たらない」として、呉さんの要求を却下した。結局、呉さんは2009年7月1日に中国に強制送還された。
故郷に帰った呉さんは記者のインタビューを受けた際、「これまで中国司法当局に拘禁されたり、その他のいかなる形の迫害を受けたりすることが絶対なく、地元のある企業で働いており、正常な生活をしている」と述べ、「韓国は民主法制国家であり、私のような法輪功学習者を無条件に送還していない。」このように述べた呉さんはさらに「現在、私は月給が1000人民元前後で、生活が基本的に保障されており、家内との仲も非常に良い」と語った。
呉さんは中国に強制送還された後、韓国国内にある法輪功組織や呉さんに同情を寄せた一部の人が何回も韓国法務部や出入国管理事務所の付近でデモを行い、米国や欧州諸国、カナダ、日本、台湾などの国と地域の法輪功組織も韓国大使館や領事館へ集団的抗議を申し入れた。
記者の今度のインタビューはいかなる部門の指令を受けたことがなく、全く真実を求めるため行ったものである。結局、「木は静かになろうとしても、風はやまない」。一部の団体の抗議は過激的かつ過敏な行為となったが、韓国法務部の判断と送還措置はいかなる政治的迫害や鎮圧ではなく、法制国家が国内の正常な外国人滞在秩序を維持するために取った正当な行動である。
呉さんはインタビューの中で、帰国後の感想に触れた際、「帰国して3ヶ月余りになったが、気持ちはほぼ落ち着いている。現在、家庭のために一所懸命に仕事をしている」とニコニコしながら語った。
インタビューが終了すると同時に、一部のマスメディアの中国法輪功問題への過激な反応や事実と一致しない報道に対して遺憾の意を表し、このような中国政府を誹謗したり中傷したりする態度によって、韓中関係や多分野にわたる交流に妨げをもたらす恐れがあるため、各メディアが事件の真相をより慎重に報道するよう望んでいる。
『韓中同胞新聞』11月16日第11版