1997年、北京市密雲県賓陽住宅区に住んでいた蔡栄芬は法輪功と出会った。あの年、彼女は定年したばかりで、家でやることがなかったので、隣人の紹介で法輪功を知った。体が鍛える気功の一種だと思い、練習者になった。
あれから、天気がよければ、彼女は公園で練習に行った。しばらくしたら、体の調子は前よりずっとよくなったと感じた。
あの時、一緒に練習していた人が彼女に、法輪功は双修な法で、練習ばかりして、「法を学ばない」とだめだよと言った。同時にある本を彼女に推薦した。本の名前は「転法輪」だ。この本を読んでから、蔡栄芬は体を鍛える目的を要求するだけではなく、「上次元」、「円満」などを求め始め、法輪功が描いた美しい幻に完全に溺れた。
徐々に、彼女はほかの練習者と頻繁的に「大法の心得」を交流し始めた。たとえその後法輪功は国から取り締まられていても、彼女は密かに練習者7，8人と秘密な連絡をしていた。しかし、一緒に交流するとき、ほかの練習者から悟りが悪く、「次元」が低いなどよく言われていた。他人が絶えずに練習の心得を話したのとは違い、彼女はいつも口を出せなくて、聞くだけだった。これについて、面子がないとよく感じた。
練習者たちのしゃべり様子、「次元」が徐々に上げていくのを見れば見るほど、蔡栄芬は焦りだした。自分の功力が止まっていたことについて悔しくなった。いつか「師匠」に指導されれば、ほかの練習者に乗り越えるはずだったのにと思い始めた。
2001年のある日、蔡栄芬はもう一度「転法輪」を読んだ。「憑依」という部分の内容を読んで、ある大胆の発想は目の前に浮かんできた：「師匠」に憑依されるふりをして、練習者の前によく自分の功力を見せて、面子を取り返すことだった。
この発想ができてから、すぐ細かいところから計画し始めて、三日後に予定通りに実施した。あのひ、夫は姪の結婚式があるため里帰りしたし、息子は市内で出勤したためだった。
あの日、蔡栄芬は練習者数人に電話をかけ、座禅をしたとき、「師匠」の「法身」が現れ、わたしに数人の練習者集め、師匠は指導するという指示をくださったとみんなに言った。練習者たちが聞いて、疑うところか、みんな盛り上がり、ぜひ出席すると約束した。電話を切った後、蔡栄芬はすべてが自分のうそで、法輪功が「名利情」を捨てる法理から離れていることがわかっていたが、そんなことを考える場合じゃなかった。
練習者たちは約束通りにきた。夜7時50分、全員がそろった。蔡栄芬はみんなに言った：何が起こっても、動いてはいけない。話してはいけない。夜の8時8分に、「師匠」はここに来る。
練習者たちは彼女の言われたとおりに床で座禅して一行になった。蔡栄芬はベッドの上で座禅を組んで、高いところから全員を見下ろしていた。みんなは静かにあの時点を待っていた。蔡栄芬は目を閉じるふりをしながら、時々向こうの壁にかかった時計をちらっと見たりした。「よい時点」が来た。蔡栄芬の体は激しく振って、ア！と叫んでから後ろへ倒れた。
蔡栄芬はゆっくり立ち上がり、目を丸くして張って、声をビデオで「師匠」の声を真似してみんなに言いはじめた：「みんな、お疲れ様。今日から、あなたたちの功力は次元二つも上げてやる。」蔡栄芬は練習者たちに見て、みんなは自分だけを見つけ、眼の中に、希望がいっぱい入っていた。
「あなたたちは一生懸命練習していることを私は全部わかっている。私の法身はあなたたちのそばにいて、私はあなたたちをずっと見ているから。今回は蔡栄芬の体を借りて話し合う目的は、みんなの真剣さをみて、功力をみんなに伝えようと思ったから。目を閉じてください。頭にある百会穴で功力を伝えてあげる」
蔡栄芬は目を閉じて、口で「経文」を読んでいるみたいに、「法輪大法はいい。真善忍はいい。。。」などをつぶやいた。3分間ぐらいしてから、「あなたたちが10年間練習すればはじめて取れる功はすでに伝えた。私の好意を台無しにするな。よく法を勉強し、私はあなたたちの円満の待っているから。」といって、蔡栄芬はまたベッドに倒れた。
蔡栄芬はわざと倒れたままで、みんなから持ち上げてくれることを待ていた。そして、ゆっくり眼をさめて、弱そうなふりをしながらみんなに聞いた：「師匠はきたのか」。みんなはうなずいて言った：「きたのよ。功力さえ伝えてくれた。」蔡栄芬は言った：「よかった。みんな帰ってください。私はあんまりにも疲れたので、休まないと」練習者たちは絶えずに蔡栄芬に感謝して、喜んで帰った。
みんなが帰ってから、蔡栄芬は思った：いくらあなたたちの次元が高くても、これから私を尊敬しなければならない。
現在、自分がやったトリックを思い出すと、68歳の蔡栄芬はおかしくてわらっちゃった。
