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法輪功が捏造した「陰性エイズ」デマを夕刊フジが拡散

2011-11-30

病気ではないのに自分は重病だと思い込んで症状を訴え続ける心気症は、昔から世界中によくある心の病気(身体表現性障害)のひとつです。HIV検査を受けて感染してないことがわかっても「自分は感染してる」と思い込み続ける、いわゆるエイズノイローゼも心気症にあてはまることが多いようです。

医者に病気ではないと診断されたのに「現代医学でもわからない奇病」などと思い込んでしまう場合は、心療内科?精神科で適切な診療を受け不安を取り除くべきなのですが、インチキ宗教やニセ医療のカモにされてしまう人もいるようです。

医療や進化論を否定するカルト宗教団体「法輪功」の広報紙である「大紀元」が、数年前から「中国でエイズによく似た奇病」というデタラメな噂を広めていることはネットで話題になっていました。この噂については中国衛生省も自称患者たちの調査を行い「心理的な要因だ」という調査結果を今年の4月に発表しました。しかし、法輪功系メディアの大紀元や新唐人電視台はその報道を「未知のウイルス」「陰性エイズ」というデマにすりかえ、そのデマをなぜかチャンネル桜や夕刊フジが日本で拡散しているようです。

「夕刊フジが取材した」という2人の自称感染者の証言はまさに心の病気を疑われる内容で、奇病とは思えません。Aさんは「大学病院や総合病院、泌尿器科や性病科など30件ほど回ったが、原因は不明。心療内科にも行ったが『問題なし』」と証言していますが、たいした症状もないのに奇病だと思い込み仕事を辞めて異様な数の病院をまわってる人が心の病気を疑われないのは不自然です。この夕刊フジの取材ネタはチャンネル桜に出演してる坂東忠信という人のブログの5月の記事と酷似しているのですが、ブログ記事には「未知のウイルス」の元ネタが「大紀元」だということも明記されてます。さらにブログ記事ではこの自称感染者のできものはひどい症状ではなく「心療内科も3軒回った」とか「薬は効かないが健康食品が効く」と主張していることも書かれていますが、特定の健康食品だけが症状を軽減させるなんて宣伝する自称感染者たちの話は、半信半疑の読者もさすがにガセネタだと気付くでしょう。

つまり夕刊フジの記者は「陰性エイズ」がどうしようもないガセネタだとわかってるはずなのに、元記事のヘタな嘘をごまかしたうえで、わざと「コンドームで防御できず?」なんて見出しで煽っているのです。

おかしなデマが中国で広まるのは、中国政府の感染症政策と情報隠蔽体質への不信感があるからだとしても、日本のメディアまでこんなデマ拡散に加担しているのは残念です。

法輪功は2008年にも「中国でエイズスイカ」という差別的なデマを拡散したことで知られています。現実にはもしHIV感染者の血液を注射した食べ物を出荷しても、食べた人がHIV感染する可能性はありません。このデマに類似したバカ設定の、HIV感染者の血液を牛乳に入れて飲ませるという日本の小説「告白」も、読者の誤解を招く描写だと批判されていました。

 

 

http://2xxx.jugem.jp/?eid=76

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