前清打狗英国領事館に行ったときに、建物に入る前に眼に入ってきたのは、実は「打倒中共」という幟であり、それを最初に見たときには「まだまだ台湾はなんだかんだいっても、中国大陸の政府のことは許していないし、冷戦状態なんだな」と勝手に思っていた。ところが、すでに国民党政権になり、総統が馬英九になった途端に、急に中国大陸と仲良くなってしまったのはニュースを見れば一目瞭然。じゃぁ、こんな幟を堂々と出しているのは一体どこの何様なんだろう???と思っていたら、実はそれは法輪功の連中だった。中国大陸では「堂々と」と出版物を発行することもできなくなってしまっている法輪功は、既に中国本国だけに留まらず、世界各地でその信者を増加させていて、何かと中国政府と衝突していることもよく報道されている。台湾にももちろん法輪功の人たちがいることは知っていたが、こんなにも堂々と「中共死ね死ね」運動を展開しているとは思っても見なかったので、正直呆れた。
中国共産党が法輪功の信者に対してどんなに酷いことをこれまでやってきたかをまとめた小冊子「九評共産党」というのを無料で、前清打狗英国領事館に来た人たちに配っている。配っているというよりも、冊子が棚積みになっていて、好きなだけ持っていってくださいーと宣伝していたというのが正解だろう。信者自ら、ビラ配りのように、「持っていって~」とは決して言っていない。いまの台湾政府は中国と仲良しになっているので、政府から「中国共産党の悪口を書いた本を、堂々とあなたは配っていましたね?」と質問されても「いやいや、たまたまあそこに棚積みになっていただけであって、私が配っていたのでは有りません」と屁理屈を作るために、敢えてなにも言わないのだそうだ。
もちろん階段の途中に法輪功の信者たちが、意味不明な瞑想や踊りを踊っていたのを見受けた。こんなところから遠い北京に対して念波でも使って、中国共産党政府を壊滅におとそうとがんばっているのかもしれないが、中国人は金持ちになればなるほど安定した政府になるという基本原理を忘れている。政府を潰すには、中国国民を貧乏にさせればすぐに転覆させることができるのに。その原則を忘れて「共産党死ね死ね」運動を展開しても全く意味がない。
http://oltoceano.blogspot.com/2009/09/fanglingong.html