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初夏の北京を木陰でのんびりと――「后海」

2009-06-29 ソース:CRI
 緑樹 陰濃(こま)やかにして 夏日長し、楼台 影を倒(さかしま)にして 池塘に入る ――高駢

 晴れ渡った青空と、陽の光を受けてきらめく湖面。萌える新緑、そして、木陰にそよ吹く風。

 北京の夏というと、このような情景が眼に浮かびます。日本で、6月の中旬というと、じめじめとして嫌なものですが、北京の6月はからっと晴れ渡り、散策に絶好の季節です。こんないい時期に、家に閉じこもってばかりいてはもったいない!ということで、詩の中にあるような初夏の風情を求めて、「后海」を散策してきました。

 「后海」は、古くより、北京の人々に愛される憩いの場であり、また近年は、バーストリートやカフェ、雑貨屋が軒を連ねる、北京のお洒落スポットにもなっています。そこに住む人々の晴れ(日常)と、観光にやってくる人々の褻(非日常)との融合、また、北京の古き良き生活と、欧米文化との対話が織りなす場所。これは、世界に歩み寄りつつも、独自の文化を発信せんとする今の北京ないし中国の状況を象徴しているようにも思えます。

 今回は、このような二つの側面から、「后海」を切り取ってみてたい思います。

 古きよき「后海」

 まずは、「后海」夏の風物詩と言ってもいいのではないでしょうか。水泳をしている人たちを今年も見かけました(右写真上)。この日は最高気温が34度という暑さだったため、子どもから大人まで、それから外国人も一緒になって、水泳を楽しんでいました。

 道端でよく見かけるもう一つのものと言えば、将棋の対局です(右写真下)。天気の暑さも相まって、対局にも熱が入っております。

 后海の周りを歩いていると、しばしば人だかりを見かけます。人だかりのあるところには、何かあるということで、近寄って見ると、左の写真の子どもたちが鳥に向かって、硬貨を突き出しています(左写真上)。

 もうしばらく観察していると、鳥が差し出された硬貨をくわえ、それを何とも器用に貯金箱へ放り込むではありませんか(写真中)。

 3枚目の写真(写真下)は、皆さんご存じ、北京の伝統芸能の飴細工です。あれよあれよという間に、いろんな動物に形作られていきます。見た目は見事なものですが、味は果たしてどうなんでしょう。 

 歩いて、少し小腹がすいてきたという時は、こちらへ――「九門小吃」

 北京を始めとする中国各地の小吃(中国の伝統的な軽食)を堪能することができます。バーが密集する通りの対岸、しかも胡同(路地)の奥にあるため、バーストリートとは全く違った趣があります。(右写真)

 100種類にもおよぶメニューが用意されており、北京の名物から、

 日本人に馴染みの深い飲茶まで、何でも揃っています。

 羊肉の串焼き 4元
 焼き餃子    10元
 灌腸(豚の腸にでん粉を詰めて蒸した食品) 10元
 氷糖葫芦(サンザシの実などを竹串に刺し、
 煮とかした砂糖の中につけて衣を着せた菓子) 3元/5元
 杏仁豆腐 6元

 進化する街「后海」

 后海にバーストリートができ始めてから、すでに5年以上が経つかと思いますが、今もさまざまな要素と融け合い、進化し続けています。ここでは、注目のお店をいくつかピックアップしたいと思います。

 煙袋斜街の路次を少し入ったところで、こんなモダンな建物を見つけました(右写真)。灰色のイメージが強い「胡同」の街並みの中で、真っ白の外壁が目を引きつけます。四合院を改装して作られており、モダンな中にも、中国の伝統的な要素が散りばめられています。

 まだ、オープン前だったのですが、カフェかレストランになるのでしょうか。一体どんなお店になるのか、楽しみです。

 知る人ぞ知る、Tシャツブランド――「PLASTERED T-SHIRTS」(創可貼)

 イギリス人デザイナーがつくるここのTシャツや小物はすべて、中国らしい図案がモチーフとなっています。

 古さの中に、どこか新しさが見える。中国らしいものの良さを見直すことが求められている、そんな流れに沿ったものかもしれません。

 たくさんのバーやカフェが軒を連ねるこの界隈で、特にイチオシのお店―「Chopsticks CAF? & BAR」(静庭西餐庁)

 アメリカ人オーナーがオープンしたこちらのお店。中国語が分からないお客さんには、アメリカ人のマネージャーが英語で対応してくれます。

 シンプルにまとめられた店内には、ジャズやボサノバが流れ、落ち着ける空間に。歩き疲れて、ちょっと休みたいなと思った時に、気軽に立ち寄れるお店です。

 CAFE&BARということで、料理もお酒も充実しています。この日いただいたドリンクは、Mojito右写真(左上)とTequila Sunrise(右上)。

 Mojitoは、ソーダ水にレモンと薄荷を加えてつくったカクテルで、レモンと薄荷の爽快な味わいが、暑さでカラカラになった喉を潤してくれます。

 Tequila Sunriseは、オレンジジュースにブランデーと少量のテキーラを混ぜてつくってあります。

 どちらのカクテルも、アルコール度数が低いため、お酒が苦手という人も安心して飲めます。お酒が全くだめという場合も、バーテンダーにオーダーすると、ノンアルコールのものもつくってくれます。

 Mojito:40RMB→35 RMB  Tequila Sunrise:25 RMB→20 RMB

 右写真(下)は、カルボナーラです。カルボナーラというと、味がしつこ過ぎるものが多々ありますが、これは適度な味付けと太めの麺がマッチしていて、とても食べやすく仕上がっています。

 普段、カルボナーラは胃にもたれるからちょっと…と避けてられる方は、ぜひ食べてみてください。  40RMB

 2階には個室もあり、コーヒーを飲みながら、静かに本を読んだり、インターネットをしたいという人には、こちらがおすすめ。

 屋上には、テラスがあり、ここでビュッフェ形式のバーベキューを堪能することもできます。(取材?文責:田中裕基)

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