北京滞在中の皆さん、この季節限定の一押しの楽しみ方があります。
それは、スーパーに行って「虎」に会いにいくことです。
中国は旧正月で新年を祝うため、中国人にとっては旧暦12月(「蝋月」)の今がまさに年の瀬の最中です。
ここ最近、毎年の干支にちなんだぬいぐるみなどが人気商品となっています。今年も虎のぬいぐるみが店頭にたくさん並んでいます。どこの店に行っても、様々な形の「虎」が目立つ場所に置かれています。色や形、デザインはそれぞれ異なっていますが、大きく2タイプに分けられるようです。
1つ目のタイプは、かわいい系のふわふわとしたぬいぐるみ。額に「王」という模様が入っているものの、気持ち的には、「虎ちゃん」と呼びたくなります。もう1つのタイプは今、動物園のおりから飛び出してきたと思わせるような、本物っぽいダミーです。「仿真品」と札が掲げられているものの、威厳に溢れる王者たるオーラがあり、「虎様」と呼びたくなります。
「虎様」は店により違いはそれほど感じません。陳列の仕方も棚から頭や手足が出たままのものが多い。時には、愛を囁きあう恋人同士の虎、時には戯れあっている兄弟の虎、表情はさまざまです。
一方で、前者の「虎ちゃん」はというと、製造元と仕入先が違うせいか、色も形も顔の表情も店により千差万別です。
皆さんは好きなものはどれでしょうか。私のお気に入りはこちらです。とりわけ、手に取った時の感触がふわふわとしていて抱っこしたくなります。友人たちへの土産に20個まとめ買いしました。
虎は中国人の手工芸の中にもよく用いられるモチーフです。従来のデザインは赤ちゃんの魔よけなどにも使われており、勇ましくて殺気立つ威厳さが強調されていました。それがぬいぐるみになると、かわいらしさが際立っています。
街角や商店街でも虎のアクセサリーが増えています。そのほか、地下鉄のショッピングモールの柱も虎が描かれたポスターで飾り付けがされています。私がそのかわいい虎の図案を撮っていたところ、我慢できたなかったのでしょうか、通りがかりの人から「こんな猫みたいな図案を…」と声をかけられてしまいました。
猫?
いや虎だって猫科だし…
それに十二支に猫がいないのだから、少々似たような図案になってもええじゃないですか!?