新華社が報道した高齢者の一家団欒の食事に関する記事に、多くの読者が懐かしさを感じている。子どもの頃の味覚の記憶は故郷の記憶として、故郷を離れて働く多くの人の思い出を呼び起こしている。春節(旧正月、今年は2月19日)間近だが、子どもや孫に対する高齢者の思いや、家を出た家族に対する思いなどが、年越しの料理にはこめられている。春節のごちそうは年越しに帰省する中国人にとってもっとも懐かしい故郷の味であり、家への思いが含まれている。新華網が伝えた。(編集YH)
安徽省蒙城県立倉鎮で、油の鍋の中で緑豆団子を加工する作業員(2014年2月8日撮影)
【安徽省蒙城の緑豆団子】
安徽省蒙城県では緑豆を粉にして加工し、油で揚げた緑豆団子が春節の食卓に上る伝統的な料理だ。緑豆団子は団欒と円満の象徴で、大晦日や春節の食卓に欠かせない。昔は春節には各家庭で作ったが、現在では専門店が生まれ、春節には人気を集めている。
福建省連城県四堡郷で「漾豆腐」を作る女性(2014年1月30日撮影 )
【福建省四堡の「漾豆腐」】
福建省の客家の故郷、連城県四堡郷では年越しに「漾豆腐」、「三角包」、「紅年糕」を食べる習慣がある。「漾豆腐」は新鮮な肉やシイタケなどを具にして豆腐の中に入れるものだ。豆腐を鍋に入れ、鳥のスープで弱火で煮て食べる。中国語では、豆腐の「腐」が「福」と発音が似ているので、一年の多くの幸福を願う意味がある。「三角包」はサツマイモの粉を使った生地で、肉や筍、しいたけ、ネギ、エビなどを炒めた具を包んで三角形にしたもので、「三星吉祥」という意味で、蒸して食べる。もち米に赤砂糖で作った餅は、「鴻運登高」を意味する。
「紅団」を作る福建省莆田市長寿コミュニティの王秋明さん一家(2014年2月6日撮影)
【福建莆田の「紅団」】
春節が近づくと福建省莆田市の家庭では地方色豊かな「紅団」を作り、新しい一年を円満に過ごせるように願う。莆田の「紅団」はもち米の粉を材料に白や赤の皮を作り、もち米や緑豆の具を包み、木の型で縁起のよい文字やデザインを押して、竹の葉の上で蒸して食べる。
「年豚」を使った様々な料理を楽しむ広西?柳江県の住民(2014年2月2日撮影)
【広西?年猪宴】
年越しに豚を屠殺して食べるのは中国の民間の伝統的な習慣で、「殺年豚」とも呼ばれる。一年苦労した家族は、年越しに丸々と太った「年豚」を食べ、親戚や友人と共に賑やかに祝うのが、広西壮(チワン)族自治区の広い農村部に今も残る習慣だ。
広西?賀州市昭平県走馬郷聯安村で、糖環を作る住民(2014年1月26日撮影)
【広西?昭平の糖環】
糖環とは広西?昭平の農村の有名なおやつで、春節に不可欠の「年越し食品」の一つだ。その形状は独特で、外側は丸い輪で、中は星に似た形で、つながって繁栄することを表す。揚げた糖環は金色で、「部屋一杯の黄金」の意味もある。
「団年」を干す広西?桂林市全州県の民家。(2014年2月6日撮影)
【広西?桂林の「団年」】
春節が近づくと広西?桂林市全州県ではあちこちから「団年」の香りがしてくる。現地では各家庭で「団年」を作る伝統的な習慣があり、正月にお客や親戚をもてなし、団欒する意味を持つ。「団年」とはもち米を蒸した後で搗いて団子にして乾燥させる、現地の欠かせない年越し食品だ。
お客にハムを切り分ける貴州省盤県紅果康盛ハム工場の従業員(2014年1月23日撮影)
【貴州盤県のハム】
盤県のハムは歴史が長い。形は琵琶に似て色は黄色、肉は薄いピンクやばら色で、脂身は白く、濃厚な味でやわらかい。肉を切って成形し、塩で漬けて押し、洗って乾燥させ、発酵させるといった6段階を経て作られる。
湖北省宣恩県慶陽壩村で、「油餡」を揚げる高齢者(2014年1月25日撮影)
【湖北省恩施の「油餡」】
春節が近づくと「油餡」の香りが湖北省恩施土家族苗族自治州宣恩県の市場には漂う。年越しにつきもののこの土家族の軽食は、人々に人気だ。
肉円粿を作る江西省鉛山県河口鎮の高齢者(2014年2月8日撮影)
【江西省鉛山の肉円粿】
肉円粿は江西省鉛山県のお祝いの料理で、大晦日前日に各家庭では肉円粿を作って春節を祝う。
2014年2月2日、作った「虎頭丸」を見せる山東省臨沂市郯城県馬頭鎮の老舗食品店
【山東省郯城の虎頭丸】
旧暦臘月(12月)23日は「小年」と呼ばれ、山東省臨沂市郯城県では「小年に子どもは虎頭丸を食べる」という伝統的な習慣がある。現地老舗の李西玲さんによると、子どもが新年に「虎頭丸」を食べると、体が丈夫になり、頭がよくなると言われている。