カシュガル市は新疆ウイグル自治区の西端、ユーラシア大陸の中央部に位置している。2010年、同市は中国内陸部で初めての、また、国内では六つ目の経済特区として開発していくことが定められた。同市は千年を超える歴史を持つとともに濃厚な「西域」民族文化を有する都市。都心部4.25平方キロに広がる旧市街地は500以上の古い民家と数百本の迷宮のような路地や横丁などがある。
旧市街地にある「アルトゥシュ横丁」は観光客に人気の高いスポット。伝説によると、昔、カシュガル市の北部にあるアルトゥシュという都市から来たという腕のいい石職人が弟子を伴いここに定住したという。ある日、この職人が翡翠(ひすい)を使って女の子の像を作ると、その翡翠像は命を持った少女へと変わり、初めて見た石職人を父とみなしたという。
アルトゥシュ横丁の建築物は素朴で優雅なだけではなく、ウィグル族の伝統文化をも保存している。また、西域に住む人々の建築に対する美意識の変遷を記録している。ここ数年、当地政府がアルトゥシュ横丁を含めた旧市街で古くなった住居の補強をしたり、インフラ設備を整えたりした。現在、人々の暮らしが便利になったのはもちろん、旧市街も以前の姿のまま守られている。
アルトゥシュ横丁での女性たちのダンスに興味津々な子供たち