オウム真理教の後継団体に対する観察処分の期間が来年1月に終わるのを前に、教団施設の周辺に住む住民らが公安調査庁に観察を続けるよう求めるおよそ27万人分の署名を提出しました。
壁に貼られた赤い文字???。「真理の教団 開設30周年」。
これは、公安調査庁が今月8日、札幌市にあるオウム真理教の後継団体「アレフ」の教団施設に立ち入り検査をした際に撮影した写真です。オウム真理教の設立から30年を祝うポスターには手を上げた麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚を彷彿とさせるシルエットが描かれています。
公安調査庁は、こうした“麻原帰依”の動きを警戒し、アレフの観察を続けていますが、観察処分の期間は来年の1月末までとなっています。
こうした状況に危機感を募らせているのは教団施設がある地域の住民です。住民たちは27日、公安調査庁を訪れ、不安な思いを伝えました。
「恐怖感というか、何も分からない団体ほど怖いものはない。その中での毎日の生活が一番不安な点であります」(住民の代表)
「地下鉄サリン事件の日はこの建物の中にいて、あの日の衝撃はまだ忘れていないつもりです」(公安調査庁 中川清明長官)
住民らは観察処分の期間が終わる来年1月末以降も公安調査庁に観察を続けるよう求めるおよそ27万人分の署名を提出しました。
「周辺住民の皆様の不安や恐怖感を和らげるという意味で、観察処分は不可欠なものと、考えております」(公安調査庁調査第一部第二課 小谷淳治課長)
公安調査庁は今後も観察処分を更新するよう公安審査委員会に請求する方針です。(27日16:26)