捜査員に付き添われ、自宅アパートを出る北爪容疑者(左)=前橋市駒形町で2017年2月23日午前7時35分ごろ、西銘研志郎撮影
2011年5月に前橋市の女児(当時1歳)の頭部などに暴行を加えて死亡させた疑いが強まったとして、群馬県警は23日、女児の母親の知人で前橋市駒形町、自称コンサルタント業、北爪順子容疑者(63)を傷害致死容疑で逮捕した。同日朝から北爪容疑者の自宅など関係先の家宅捜索を始めた。県警は、北爪容疑者が「悪魔払い」などの名目で女児に日常的に暴行していたとみて、虐待の経緯を調べる。
逮捕容疑は11年5月2日午後5時ごろ、前橋市内の自宅アパートの部屋で、同市西片貝町、城田麻雛弥(ますみ)ちゃん(当時1歳)に暴行を加え、4日後に急性硬膜下血腫で死亡させたとしている。北爪容疑者は「あやしている時に頭などをぶつけているかもしれません」と容疑を否認している。
関係者によると、北爪容疑者は、自宅アパートで、「中島順聖(せいしょう)」と名乗り、体の痛みを訴えて訪れた人たちの相談を受け、その部位を触るなどして金銭を得ていた。女児の母親は「先生」と呼び、女児を連れて連日、身の回りの世話をしていたという。
女児は生後間もない頃から、「体の中から悪魔が出ていかない」「悪魔にやられている」などとして、暴力をふるわれていたという。女児の通っていた保育園は10年以降、女児の体に複数のあざを確認し、市に通報していた。【山本有紀、尾崎修二】
母親洗脳か、立件まで6年 当初は虐待認めず
女児の死亡から約6年。群馬県警が立件までに時間がかかった背景には、当初、女児の母親から「虐待」の証言が得られなかったことがある。「先生」と慕っていた北爪容疑者をかばうため、医師や警察に対し、「転んで頭を打った」などと説明していたとみられ、群馬県警幹部は「マインドコントロール(洗脳)されていた」と指摘する。
関係者によると、女児の母親は、女児への暴行の現場にいたとみられる。女児は暴行を受けた後、母親が病院に運んだ。その際、医師に「1週間前に階段から転落したが、けいれんを起こすまで何ごともなかった」と説明。一方、県警や周囲には「玄関の上がりかまちに頭を打った」などと別の説明もしていた。
母親は女児の死亡後、周囲に「私が悪い。私のせいで娘が悪魔にやられてしまったからだ」などと話していたという。しかし、県警は昨年以降、カルテの再鑑定や関係者の聴取を進めた。改めて母親に事情を聴いたところ、虐待があったことを認める証言を始めたという。【尾崎修二、山本有紀】
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