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「祈祷」で命を奪われた父(写真付き)

2016-07-26 ソース:kaiwind.com 作者:口述:王偉 整理:芳娜

王偉です。43歳。住所は四川省宜賓市長寧県梅硐鎮回龍団地。父は王伯生、1943年生まれ、農民、まじめで勤労でいい人だ。私が結婚した後、両親が家で娘の世話をしてくれて、農閑期になると、竹を切って背負いかごやちりとりを編んで売った。私は左官の仕事ができるから、暇な時になると、近所でアルバイトをして生活の足しにしていた。平凡だが幸せな生活だった。

2009年11月の初め、体の具合が悪いと思っていた父が県人民病院に行って検査を受けた。 慢性食道炎だった。お医者さんの言ったとおりに、定期定量に薬を飲んだり、定期検査を受けたりしていたから、病状はよく控えていた。

2011年7月のある日、わたしのおばさんと王銀書という隣の村の人がうちに来た。事々しく「三贖キリスト」のことを父に伝えた。「三贖キリスト」に入信して、毎日祈祷をすれば、薬を飲まなくても治ると言った。また、その「神様」を信じれば、「消災避難」もできます。一年中平安無事に過ごせると。王銀書はまた、自分の腰痛は「三贖キリスト」を信じてから治った、昔は15キロしか背負えない自分は、今50キロ以上も楽にできると言った。彼らは「三贖キリスト」を信じるから災いを避けた例をどんどん父に教えた。病気に悩んでいる父が、そうすれば、信じてみようかという気になった。いいところばかりだし、お金も手間もあまりかからなさそうだから。

その日から、おばさんと王銀書は頻りに父を呼んで近所にある信者の家へ「福音伝播」、「団体祈祷」、「見証談義」などの活動に行った。父が「三贖キリスト」の信者になった。おばさんの教えに従って、赤字の十字架が印刷された白布のようなものを家の母屋の壁にかけた。父が毎日白布一枚を頭にかぶって、毎日地上に伏せて、その十字架に祈祷をした。最初、集会に行った父が、おかしい行為を見せなかったから、私は特に止めようとしなかった。騙されないようにと、偶には言っただけだった。だが、「三贖キリスト」を信じることがだんだん深くなるにつれて、心理的暗示作用によって、彼は自分のこころの痛みが緩和した、元気になったと感じるようになったらしい。それが「三贖キリスト」のおかげで、祈祷することで病気が治ったと思いこんだ。その時から、かれは食道炎治療の薬をすべて捨てて、ただ「三贖キリスト」が「病気治療」、「消災避難」などの嘘を深く信じた。こういう祈祷は邪道で、信じては大変なことになるから、早く科学を信じて薬を飲み続けてと何回も注意してあげたが、父は、病気になった人が「三贖キリスト」を信じてから病気が治ったという奇跡の例をたくさんあげて、あなたも「三贖キリスト」を早く信じなさいと説教をした。悔しくたまらなかった。

2012年4月、「三贖キリスト」へ忠誠を表すために、また、より多くの「祝福」を得るために、父が変わったように、毎日ややもすれば「三贖キリストは本当の神様だ」と口にしながら、地上に伏せていた。家のことも孫娘のこともまったく聞かなかった。「三贖キリスト」組織の教えに従って、毎日「三贖キリスト」神に祈祷をしていた。また、家族の人の反対の声をものともせずに、周りの村人の家に行って、「福音」を伝えたり、「見証」を話したりして、「三贖キリスト」の勧誘に明け暮れていた。だれかの家に何の出来事があったら、すぐにその場に出て、これが神からの懲罰で、入信して初めて解消できるという。村中の人々は「三贖キリスト」を口にしていた彼が精神病になったといって、彼を相手にしたくないとしていた。親族の皆さんもいろいろ彼を説得しようとしたが、その入信のこころを揺るがせなかった。彼は「三贖キリスト」信仰の道へ歩んで行ってしまった。

2013年6月上旬のある日、父が「命の食糧」、つまり毎日100グラムの米しか食べないと言った。毎日これくらいの米を食べると、かめに減った分の米は自動的に補充してきて、永遠に食べ終わらないと。不思議だと思った。「人は鉄、ご飯は鋼、食べないと無理だ」というような俗語があるが、毎日100グラムだけでは我慢できるものか。わたしは断固として反対したが、頑固な父が「三贖キリスト」のこういう「生きるうちに命の食糧を食べると、他界すると天国に行ける」という邪説を信じ込んで、聞こうとしなかった。また、彼はこっそりと家にあるお金や米や物品を「三贖キリスト」組織に「献上」した。これで私は彼と大喧嘩をしたが、かれはすべては神様の要求だからといって、それをやり続けた。

2014年5月、長時間に薬を飲まないこともあるし、「命の食糧」を食べるから、父の体が非常に弱くなった。頭痛、胸痛、飲みこみ困難などの症状まで出た。家族の人が心配で、早く病院に行けと繰り返し注意をしたが、彼はまた我慢に我慢して、「これは神様の試練だ。薬を飲んじゃいけない。病院にも行かない。さもなければ、罪が深くなる。祈祷すれば大丈夫だ」と。父の病気がますますひどくなった。体は日増しに悪化していった。

病魔のせいで、薬も診査も受けなかった父はだんだん、道を歩くことさえできなかった。転倒することもよくあった。これが自分の「業力」は重過ぎるせいだと思い込んだ父は、いつか必ず「三贖キリスト」の加護を得て、病気を治すことができるとかたく信じた。私と妻、母の病院に行って、薬を飲んでという哀願をちっとも聞かなかった。

こうして、父は毎日「三贖キリスト」の話を聞いて、毎日ただ祈祷をして、いわゆる「バイブル」を読んで病気を治そうとしたが、病状が悪化しつつあった。  2014年10月28日、仕事を終えて家に帰ったら、祈祷していた父が倒れていて、気を失った。びっくりしてすぐに120番通報をして、父を病院に運んだ。お医者さんが全力に救急をしたが、父の命は助けられなかった。その夜、父が永遠に息を止めた。お医者さんの話によると、これは長期に薬を飲まなく、病院の診察を受けなかったため、慢性食管炎が食道癌に悪化して命を奪われたのだと。

父がなくなった後でも、いつも苦労して私を育てた平凡だが幸せな日々を思い出す。そうするたびに、心が絞られている気がする。祈祷で病気が治ると主張している「三贖キリスト」、この父を死の道へ追い込む元凶を憎んでいる。

 

王伯生生前の写真

 

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