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鄭志明の悲惨な遭遇

2017-06-12 ソース:kaiwind.com 作者:周小又

 

私は貴陽市観山湖区の社会ボランティアであり、“地区親切活動”を通じて鮑春玲おばさんと知り合い、また鮑おばさんの御主人である鄭志明おじさんの悲惨な遭遇を知った。以下皆さんにこの件の事情を申し上げる。

良縁に恵まれ、家庭円満

鄭志明、生まれは1938年、貴州省遵義市鳳崗県の人。彼は若い頃男前で、身長は1.81メートル、体重80キロ、60年代の専門学校卒で、公務員であった。鮑春玲は遵義市の国営企業の管理者で、鄭志明より3歳年下、うりざね顔ですらりとして皮膚は真っ白の大した美人であった。この二人は人の紹介により、最初の見合いで一目ぼれ、恋愛関係に入って1962年に結婚した。職場の同僚や隣人は皆二人は美男美女、お似合いの夫婦だと言っていた。

結婚後は息子2人と娘3人を育て、家族はのんびりと暮らしていた。鄭志明の趣味は演芸で、子供達と歌ったり笑ったり、にぎやかであった。しかし時間が経って子女は成長し、遠くに仕事に行くのもいれば、結婚したりして、段々家庭は老人二人が助け合う具合となった。鄭志明は若い頃酒が好きだったが、50歳を過ぎて糖尿病を患った。病気はあっても鄭志明はちゃんと薬を飲み、飲食にも注意し、運動も欠かさず、身体はずっと良好であった。

誘いに乗り、邪教を修行

鄭志明の次女の夫は元々親戚で徐書偉といい、この人は養生を大事にして好奇心があり、定年後ひまだったので、世の中の“功”を知り練習を始めた。例えば香功、菩提功、中功等を練習した。1996年秋のある日、徐書偉は鄭志明の家に来て会うなり“鄭さん、最近新しい功の練習を始めたのだが、これがすごいもので、あなたの糖尿病も望みがある”と言いながら動作をいくつか手真似してみせた。鄭志明は病気に良いと聞くと興味を持ち、徐書偉に詳細を促した。徐書偉が話したのは“法輪功”であった。彼は鄭に“法輪功”を大袈裟に説明し、“法輪功”は“人の功力を修行して自ら病毒と業力を消滅させる”と言った。更に、自分はしばらく修行してみたが、身体が気持ち良くなり、毒も排出したようで、歩くのも疲れなくなった、と言い、懸命に鄭にこれを勧めたので、鄭も最後には“法輪功”を修行する事に同意した。そこで翌日徐書偉は『転法輪』という書物を鄭に渡し、しかも“法輪功”を練習する“功法五流”も教えた。このようにして、鄭志明は自分の身内の指導の下で“法輪功”修行を始めた。

3ヶ月が経ち、鄭志明は李洪志の“修行で消業”に影響され、糖尿病の薬を隠して飲まなくなった。毎日書斎に一人でいて、座禅や修行を行ない、李洪志の『転法輪』や『精進要旨』を読んでいた。鄭は修行にますますのめり込み、当初は毎日部屋で数時間こもってから出て来ていた。それから食事と用便以外、部屋から一歩も出なくなった。妻の鮑春玲は夫がこうするのを良くないとは思ったが、見たところ身体に悪い変化はなかったので、夫に従っていた。鄭志明は自分の身体が以前より良くなり、身軽になって歩く動作も機敏になったと感じた。更に大事なのは、もう薬は不要という事だった。

身内に冷淡、精神は操られ

半年修行した頃、鄭志明は妻に“この大法は業を消して病を治すだけでなく、功徳を積んで天の目を開き、宇宙の真相も見える、おまえもやらないか?” 鮑春玲は“あなたは毎日修行で何もしない、もし私も始めて何もしなければこの家は食べる物も無くなる”と答えた。鄭志明は妻が一緒に“法輪功”を修行したがらない事に不満だったが、鮑春玲が“あなたは毎日修行するけど、身体に良くないのでは?”と聞くと鄭志明は“薬は止めたが、身体は相変わらず良い”これを聞いて鮑春玲は驚き、夫が修行を以来、薬を飲んでいない事を知ったのだった。妻は急いで夫に薬を止めないよう頼んだ。鄭志明は、妻は一般人であるから大法の良さが解らない、と言い、夫婦の話しもここまでだった。

これ以来鮑春玲は夫が修行後薬を飲んでいない事が判り、非常に不安であった。何度も夫に服用を勧めたが、鄭は全く耳を傾けなかった。妻はどうしようもなく、長男に電話し、自分の心配を訴えた。数日後、長男が父親の家に帰って来て“お父さん、お母さんが修行ばかりで薬も飲まないと言っているが、それはいけない。万一糖尿病が悪くなったらどうするのか?”と言うので鄭は腹を立てて妻を怒鳴り、息子を追い返した。鮑春玲も今回は我慢出来ず、夫が隠した薬を探し出し、夫に“今すぐこの薬を飲んで、今日薬を飲んだら私達は夫婦だ。もし飲まなくてインチキ修行をするだけなら、出て行って!”と言った。鄭は妻が自分の修行を“インチキ”と罵るのを聞いて怒りが納まらず、鮑春玲にびんたを食らわせた。鮑春玲は一瞬解らなかったが、驚いて鄭を見た。二人は結婚以来、時折口喧嘩はあったが、夫に殴られたのは初めてであった。鮑春玲はそれに気が付いてから大泣きした。息子が来て母親と父親に対してお互いにやり過ぎだと責めた。鄭はこれを見て、何も言わず自分の部屋に戻って行った。鮑春玲は夫のこの変わりようを見て、怒って徐書偉を電話で問い詰めた。意外にも徐書偉は電話で冷ややかに、彼女が鄭の修行を阻んだのなら、彼女は悪魔だ!と言った。

その後、鮑春玲は長男と次女を家に呼び、鄭の状況を話して聞かせた。いろいろ相談の結果、やはり長男が父親を説得する事になり、条件としては“修行は構わないが必ず薬を飲む事”であった。息子と父親は交渉協議のように一日話したが結論は出なかった。というのは鄭が聞くのは“師父”の話しであって息子の話しではなく、更に『転法輪』を持ち出して来て“消業”の部分を読んで聞かせた。鄭は自信を持って息子に“我々の大法では、修業して徳を積み、階級が上がれば全ての業力を消せる、身体も高エネルギーの物質に変化し、これを晶白体という。晶白体――――聞いた事は無いか?これは仏体と大体同じで、仏は病気になるか?お母さんに伝えておけ、皆これからは私の修行を邪魔してはならない、私の功徳が円満になったら、家族皆が尽きない幸福を享受できるのだ!”と言うので、長男は父親の馬鹿みたいな表情を見て、何を言っても無駄だと解った。息子は『転法輪』をしばらく読んでいたが、“お父さん、この本は問題がある、お父さんも知識分子なのに、何故こんな迷信を信じるのか?今後こんな修行をしては駄目だ”と言うので鄭は怒って本を息子から取り返し、厳しい声で“大法が解らないのにいい加減な事を言うな、大法は常識を超えた科学であり、宇宙を洞察する正しい見方だ、お前が大法の修行に反対するのなら、いっそ私を殺せ!”こうして話し合いは終わった。それからは、鄭は家族も無視して書斎に籠って修行に励むか、或いは親戚の徐書偉と一緒に集会所に行くだけであった。こうして、よく笑って楽しかった鄭は暗く寡黙な人に変わってしまった。

医療を拒否し、世の中から離れる

またその後、鄭の修行時間はますます長くなり、家族と会う回数もますます少なくなった。しかし鮑春玲は夫が修行の後や夜中に目が醒めてソファーにぼんやり座っているのを見かける事があった。どうしたの?と何度聞いても鄭は何も話さず、しばらくするとまた座禅を始めるだけなので、鮑春玲も面倒になって来た。またしばらくすると、鮑春玲は鄭の太腿の腫れがひどいのに気が付いたが、座禅も困難で痛いようであった。病院に行くよう勧めると、“これは身体が良くなる兆候であり、‘師父’のテストだ。修行さえ続ければ、‘業力’は去って行く”と言った。妻が勧めても、子供達が勧めても、彼は聞かなかった。その後長男が友人を連れて来て、皆で無理やり病院に連れて行き検査を受けさせたが、結果彼は病院で大騒ぎし、医者も診察しようが無かった。皆も仕方なく、鄭を連れ帰るしかなかった。帰宅すると、鄭は何時も通り朝晩修行を続けたが、彼の座禅は既に安定せず、おでこには脂汗がいっぱいで、呼吸も無理なようであった。鮑春玲は薬を夫の口元に持って行き、飲むように求めたが、鄭は首を振って拒絶した。

1997年8月下旬のある日、鮑春玲が寝ていると、“ゴトン”と音がしてコップが割れる音がした。急いで起きて書斎を見ると、鄭が床に倒れ、しかも人事不省であった。鮑春玲は慌てて左右の隣人に手伝ってもらい、鄭を遵義医学院に緊急搬送して救急を行なった。医者の全面的検査の結果、鄭の糖尿病は既に末期で腎臓は衰弱しており、同時に尿毒症と白内障を併発していた。病院のベッドに横たわり、全身パイプが取り巻いていても、鄭は“治療は嫌だ、修行者に病気は無い、早く家に連れ帰ってくれ、修行の邪魔をするな”と言ってまた気を失った。目が醒めると、鄭は弱々しい声で“家に帰り、修行する”と言い、鮑春玲はそんな夫を見て、身を切られるように涙を流した。

1998年4月、鄭は病院で亡くなり、“師父”李洪志に対する期待と困惑を持ちながらこの世を去った?????鮑春玲は悲しみが絶えず、自分も大病し、子供達は毎日ベッドを囲んで離れられなかった。児女の忠告の下鮑春玲は頑張り、次女達は良くしてくれたが、長く自分の身辺を守る事も出来ず、多くの時間は一人で孤独な生活であった。それから長女の提案を聞いて、一緒に貴陽市で住むようになり、やっと徐々に以前の悲しみから抜け出し?????現在、既に75歳になった鮑おばさんだが、鄭の事になると憤然として“もし李洪志に会えるなら絶対聞きたい、お前のようなやつが連れあいを殺した。仮に米国に逃げたとしても、こんな大悪人は報いを受けるべきだ!”と言った。私は白髪の鮑おばさんに、どう言って慰めればいいのか解らなかった。思うに、もし鄭おじさんが生きていて、政府が既に法輪功を取り締ったのを知ったら、この聡明な知識分子の人は必ず崖っぷちで踏み止まったに違いない。

(編集責任:清筑)

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