我が家は包頭市の郊外にある。夫は巴盟の人、娘は今年19歳、私達一家は出稼ぎで生活していた。
慈愛のある“お父さん”
2013年7月のある夜、私は窓を開けて寝たが夜に寝冷えし、朝起きると眼や唇が歪み、顔中固まっていた。医者は中風による顔面麻痺と言った。鍼を打ったり漢方薬を飲んだが一ケ月経っても効果が無く、お金も使って民間療法を尋ね麻痺を治す診療場所を調べ始めた。
顔面麻痺の事で悩んでいる時、巴盟から親戚の王おばさんが仕事で包頭に来て我が家に泊まり、会って私の病気を聞くと、こうした病気を治す良い方法があり、お金も要らないと言う。藁をもつかむ思いでそれを聞いてみた。彼女は心から“三贖キリスト”を信じ、病気が治るよう願えば必ず良くなる、と言う。彼女は二年信心を続け、ずっと平穏だとも言った。私は病気さえ良くなるなら試しても良いし、ましてやお金も掛からないのなら、と思ったので、王おばさんと“三贖キリスト”を信心する事に同意した。王おばさんは“病気治療も主の恩寵であり、あなたが心から服して私と一緒に身の上の良くない事を念じ、求め、毎日頑張って祈祷すれば、効き目はある”と言った。それから、王おばさんは白地に紅十字の布を取り出し、壁に貼り付け、また白い布を自分の頭にかぶせ、床に膝まづき、合掌し、私も真似をして一緒に“新しい妹が父の恩寵を求めている、どうか父神様が妹を助け、奇跡を起こし、鬼を追い払い、妹を健康にしてくれるように”、“神聖なる父神様は万事を良くしてくれる、私達も父神様同様に良い方向に向かいたい、アーメン”と祈った。
“お父さん”に従う
王おばさんは帰る前に『霊歌百篇』という書物を残してくれて、毎日その歌を歌うように言った。病気が良くなってもその痛みを忘れず、病気の時だけ神を思い出し、無病なら遠ざかって神の恩典を忘れる事があってはならない、“三贖キリスト”を固く信じれば、父神様は一家の安寧と幸福を護ってくれる、と私に言い付けた。そこで私が毎日真面目に祈祷すると、焦る気持ちも緩み、何と一ケ月後に緊張していた顔面が改善したのだ!私は嬉しくてたまらず、急いでこの良い知らせを王おばさんに伝えると、王おばさんも喜び、『閃光の霊程』という本を私に送ってくれて、信心の証言を拾い読みするよう、更に“生命の糧”を食べていれば霊性が高まる、と勧めた。その後王おばさんの助言と指導により、私は9項目の霊程作法を習得し、毎日祈祷し、霊歌を歌い、天国の舞を踊り、『閃光の霊程』を暗記し、魂の恩寵を追い求め、時々は王おばさんと安息に参加し、一緒に事を進めた。家族には不満が絶えなかったが私は気にせず、自分としては新しい世界の大門を押し開けたと感じていた。
王おばさんの言い付けに従い、私も同じように身辺の女性を探し、自分のやって来た事を話し、彼女達を連れて“三贖キリスト”を信心した。私の話しを聞いて、周囲に三贖を信じる女性も段々増えて来て、彼女達も無病息災と神の庇護を希望した。王おばさんはこうした新しく加入した女性の指導を任せてくれたので、私は興奮し、自分の人生でこのように有意義な事は無かった、と感じたのである!2014年、私はスーパーの出納店員を辞め、毎日集会に参加し、一緒に道理の理解や証言を分かち合い、霊歌を歌い、女性達と糧食を配ったり受け取ったりした。しかし、家族はこれに反対し、私が家事を放り出して毎日祈祷しているのを嫌い、何度か姉妹の夫が家に来て、彼女達を無理矢理連れ帰った。私の夫と娘も反対し、夫は“以前はおまえ一人が切り盛りしていたのに、今は仕事も辞め、毎日知らない人間を連れ帰って来て、神だの何だのと祈っている、我々の家は一体何なのだ?!”と言い、娘も心配そうに“一日2両の米だけで良いの?こんなに痩せてしまって心配よ”と言った。
蓄財する“お父さん”
しかしこうした事も私の父神様に対する忠誠を阻止出来ず、9項目の霊程作法以外に、私は家の蓄えを何度も“奉納”した。2014年6月、家賃を納める時期になったが、私は“奉納”したばかりで手元に金が無く、家主は夫に請求したので、夫は帰宅するや“何故金が無くなったのか?普段稼いだ金は全部おまえに渡しただろう!日常の支払い以外、残った分はおまえが貯金して来たのだから、我々の貯金額は数万元にはなっているはずで、これは娘の嫁入り準備のためだ、この金が無くなったのか?!”と聞くので私は得意気に“多く納めるほど幸福の報いが多くなり、家族皆が父神様の加護を得られる、金ぐらい何でも無い”と言うと夫は真っ赤に怒って“おまえは普段信心していれば良い、何故家の金を他人に渡してしまうのか?家に金が無くてどうやって生活するのか?一体どうしたんだ!また神だの何だのしたら、自分達はもう終わりだ!”と言うので、私も口答えして“私は毎日節約した金を納めるだけで、一銭も無駄にはしていない、全てこの家のためだという事が解らないならもう終わりね!”と言い、それ以降はお互い話しもしなくなった。
邪教“お父さん”
2016年8月、私の家で何時も通り集会を開き、祈祷をしていると警察がやって来て、私達全員を派出所に連れて行き、同時に我々の全ての書物と印刷物を押収し、リストを作らせた。警察は、我々が信じている“三贖キリスト”は政府が明文で禁止した邪教であり、非法な集会は法律違反だ、と言った。私は全く予想しておらず、私を護ってくれる父神様が邪教だなんて!と思ったが、警察は、この教えの教理は聖書から一部だけ引っ張り出し、聖書を曲解しているもので聖書に似てはいるが、入信した人は皆騙されて入ったのであり、私のように騙された人は沢山いる、と言った。私は弁解して、私の顔面麻痺は鍼や薬では一ケ月経っても良くならず、その後“父神様”が治してくれた、と言うと警察は笑って“あなたはお金も騙し取られたのだ”と言った。また、あなたは若いのだから薬物治療を一ケ月続けて麻痺が回復し始めた時に“三贖キリスト”に接触し、祈祷があなたの心の圧力を和らげ、その両方が相まって麻痺が良くなったのだ!門徒会は金要らずでしかも家族が平安になるという旗を振るが、“病気治癒”は嘘で、“奉納”が本音なのだ!と言うので、私は夢から醒めたようになり、警察の皆さんに“三贖キリストが邪教なら私はもう信じない、私は違法な事は出来ない、私の家庭は私を必要としていて、私も家庭を壊したくない。幸いに皆さんが私に真実を教えてくれた、でなければ家の金は全部三贖キリストに巻き上げられるところだった!”と述べた。