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全能神は私の娘を痴呆に

2017-11-30 ソース:kaiwind.com 作者:李雲(口述)文海(整理)

私の娘は周望娣といい、家は響水県張集地区、1997年結婚、19992月に孫娘の甜甜が生まれた。婿は秦峰といい、有線テレビサービス会社で働き、結婚後子供夫婦は幸福に恵まれ、孫娘もすくすく成長した。2005年、甜甜は小学校1年生となり、秦峰は望娣に仕事を探して来たが、有線テレビのアフターサービスの仕事で、お客の家に派遣されて検査や取り付けを行なう仕事もあった。1年後彼らは町に家を買い、自動車も買った。まあ、娘の家庭は豊かで幸せな生活を送っていたと言えるし、村の隣人達も私が良い婿を見つけたと褒めてくれた。しかし、好い事ばかりは続かず、2009年の春節が過ぎて出勤した日、婿が慌ててやって来て“お母さん、望娣が携帯の電源を切り、一日姿が見えない、探さなければ”と言った。  

家族はすぐさま知り合いの皆に声を掛けて探し始め、想い出した電話は全て掛け、ここと思う所には全部行ってみたが、影も形も無く、秦峰は派出所に連絡して助けを求めたが、これも成果が無いままに一日一日が過ぎて行った。望娣は蒸発したように、行方が判らなくなった。  

秦峰が新聞、テレビ、インターネットに尋ね人を掲載し、派出所を通じて近所、会社附近や出勤ルートのビデオ映像を調べるたところ、望娣が知らない男女と一緒にいたのを発見した。家から出た時、彼女はまだ正月用の服を着たままで、地区を離れ、ナンバーが無いバイクの男に乗せられ、出て行くところでビデオの視界から消えた。  

娘がいなくなり、我々老人二人は娘の家に引っ越し、秦峰親子の面倒を見た。時の経つのは速いもので、8年が過ぎたが、この8年で甜甜は娘に成長し、もうすぐ入学試験である。しかしこの8年で、明るく活発だった甜甜は黙りがちになり、小学校の頃、国語の先生が書かせた作文の題名は『私のママ』だったが、彼女はパパの事しか書かなかった。甜甜が捨てたノートに“ママ何時帰るの?”と何回も書かれているのを見た時は、涙と嗚咽をこらえ切れなかった。私には判るが甜甜がどれほどママを想っているか、可哀想な子供は苦しくてもそれを言い出せないのだ!  

私もどうして娘を想わないでいられようか?毎日涙で顔を洗うような気持で、もし孫娘と婿から精神的に頼られていなければ、直ぐにでも娘を探しに家を出たかった。深夜、よく娘が悪魔に縛り付けられ、火に焼かれる夢を見た。悪夢から醒めると、自分の携帯に娘から電話が入っていないかを見に行った。娘の家出以後、私は毎日朝、昼、夜娘に電話を掛ける習慣になっていたが、電話は永遠に“すみません、あなたのお掛けになった電話は電源が切れています”という声が聞こえるだけであったが、娘が何時の日か電話を取ってくれると信じていた。娘の携帯電話は常に料金を支払って電源も切らず、娘の家出以後は自分の携帯も常に待ち受け状態にして何時でも娘の声が聞けるようにしてあった。娘よ、お前は何処にいる?早く戻って来て会いたい!  

娘の家出後、婿の秦峰の気持ちは段々すさみ、仕事をよく間違えるようになり、上司から褒められていた彼も、会社の温情的な配置で倉庫に異動し、簡単な貨物配送の仕事となった。連休になると、婿は自動車を運転し、寝具と食糧を持ち、尋ね人の紙を多数印刷し、全国各地に娘を探しに行ったが、自動車には望娣の写真と人探しの紙を貼り付けていた。毎回戻って来る時には娘を連れているのではないかと期待するのだが、元気の無い様子を見ると全てが判った。婿の憔悴した表情を見て、我々老人二人は老婆心から、裁判所に離婚を申し立て、望娣を待つ事無く、再婚するよう勧めた。彼は頭を振って断わり、それから自分の部屋に籠り、飲まず食わずのまま苦しんでいた。彼は私達より望娣を想っている、何故なら彼と望娣は小学校から高校まで一緒の恋人同士だったからだ。  

2017228日午後、一本の電話に驚いたが、派出所から娘を確認しに来るように、との事だったので、私は1分間茫然としたが、急いで秦峰に電話をした。娘を前にして我々はどうしても信じられなかったが、目の前の娘はまるで別人で、眼光は鈍く顔は真っ黒だった。今までの想像では、母娘、夫婦は抱き合って泣き、長い別れの末に再会した感激となるはずだったが、娘は我々を知らない風に、ただ座っているだけであった。  

派出所は我々に、娘さんは精神が正常でなく、自分の事もはっきりしない、と言った。更に、“全能神”という組織が娘を騙して会員にし、“頭領”という親玉があちこち連れ回り、河南、安徽、河北、山東等に行って“全能神”組織に奉仕させた、と述べた。公安機関がこの親玉を捕まえ、娘の行方を白状させ、派出所は安徽省に行き、望娣を引き取って当地に連れ戻り、ようやく我々を探し当てた、と言った。  

娘の精神には問題があり、派出所は我々が娘を連れ帰って家で面倒を見る事に同意した。私は母としての情を押さえきれず、望娣を抱きしめて号泣し、思いを全部吐き出す事が出来た。秦峰は待っていた恋人に対するかのように、タオルで彼女の口元を拭い、茶碗から一口一口用心しながら食べさせたが、私は辛酸のあまり悲喜合い交わる涙を流した。喜ばしいのは娘がついに帰って来た事だが、悲しいのは帰って来たのが気の狂った娘だった事だ。  

夜、我々が娘を清潔にし、寝るのを待って秦峰が我々夫婦の部屋にやって来て“お父さんお母さん、私は自動車を売り払って上海に行き一番良い病院で彼女を看病し、早く健康を回復させる。もう彼女が我々から離れないよう、一生付き添う、いいですか?”と言ったので、我々は秦峰のこの一言に感動して何も言えなかったが、夫は秦峰に対し“息子よ、そうしたいなら我々も何としてでも助ける、一家の全財産を投げ出しても望娣の病気を治し、彼女にまた良い生活を送らせよう”と言った。  

娘は痴呆になったが、我々家族の希望はまた戻って来ていて、幸福はすぐ目の前にあるのだ。  

 

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